アンアン・ノンノに始まるビジュアルな女性誌は、ファッションやライフスタイルを自己表現とする消費「主体」化を広げていった。ビジュアル・ファッション誌の系譜を、明治大正から1990年代までたどる。

内容:女性雑誌の歴史とファッションの研究. 大衆向け女性雑誌の歴史的変化. 洋装化と家事の一環としての衣服. 戦前の女性雑誌と服装の流行. 『婦人世界』および戦前期『主婦之友』の口絵分析. 戦後『主婦の友』の皇族写真にみる専業主婦とファッション. 『女性自身』にみる女性週刊誌とファッションの関係. スタイルブック・服飾雑誌とアパレル産業の台頭. 一九七〇年代女性雑誌の「ビジュアル化」の意味. 『an・an』『non・no』と「女の子」文化. 戦前の思春期・青年期未婚女性と女性雑誌. 戦後の若い女性向け雑誌と読者層の特徴. 消費社会における「女の子」文化の社会的意味. 『JJ』にみる女子大生の消費「主体」化. 『MORE』『クロワッサン』にみるフェミニズム思想の影響と変化. 『MORE』『クロワッサン』読者の抵抗. 『Hanako』『VERY』にみる一九八〇~九〇年代「女の子」文化の展開. ポスト団塊世代とビジュアル・ファッション誌. 総括