名作『月と六ペンス』出版から1世紀、いま、時代の岐路に立つ人々への指針となるモーム文学の魅力。作家モームの特質を、彼の主要作とともに考えなおし、文学(芸術)の普遍的存在価値を主張する。

内容:デビュー作『ランベスのライザ』をめぐって. 『人間の絆』の真実をめぐって. 月と六ペンス. モームの短篇小説にみる生と死と. お菓子とビール. モームの作品に見る卑俗な人間たちの反俗性. サマセット・モームの『劇場』のヒロインをめぐって. 映画版『クリスマスの休暇』について. 兵士に愛された小説. モームの「変わり種」における異質なる者の姿. サマセット・モームの日本における受容について. 映画化された短篇集『四重奏』の魅力と問題点