気鋭の英文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成『幻想と怪奇の英文学』第2弾。ジョイス『ダブリン市民』の「姉妹」新訳や、編者2名が平井呈一の再評価を促す対談も収める。

内容:ジェイムズ・ジョイス「姉妹」の翻訳 ジェイムズ・ジョイス著 下楠昌哉訳・解説. 薔薇十字会員の亡霊を降ろす/祓うこと 田多良俊樹著. 乱世のなかに夢幻を描く 鈴木暁世著. 『フランケンシュタイン』の幽霊 小川公代著. ぼくらはまた逢うだろう 岩田美喜著. フィラデルフィアの幽霊屋敷 白川恵子著. 甦る鳥たち 大沼由布著. クエスティング・ビーストの探求 小宮真樹子著. スフィンクスの笑み 遠藤徹著. 或るモノとの「遭遇」 石井有希子著. ファリントンはキーボードの夢を見るか 桃尾美佳著. 重なり合わない分身と分心 有元志保著. ラジオの描くモンスター 川島健著. 赤ずきんはなぜ狼になったのか 高橋路子著. 鴉の娘の「新しいおとぎ話」 金谷益道著. 中世ヨーロッパの教訓的例話集にみるイノセントな子供たち 小川真理著. 悪、破局、そして笑い 金津和美著. 崇高の向こう側 山口和彦著. 時空をかける女たち 臼井雅美著. 幻想と怪奇の匠・平井呈一の足跡を追って 東雅夫述 下楠昌哉述