気鋭の英文学者らが論じた幻想文学の本格的な研究・批評の集成、第4弾。「ゴシック」理論のベースともいえる、A・L・バーボールドの崇高恐怖論とその実作「サー・バートランド」の翻訳も収録。

内容:「植物する」〈Plant doing〉ということ 遠藤徹著. 洞窟のなかの幻想の怪物 南谷奉良著. マンティコア変奏曲 大沼由布著. 恐怖の諸対象を起源とする快楽について。断片作品『サー・バートランド』を付して アナ・リティティア・バーボールド著 下楠昌哉訳. 怪奇小説『メルモス』における結婚の隠喩と医科学言説 小川公代著. 『マンク』における二つのプロットと世界史的背景 市川純著. モノ語るゴシック 日臺晴子著. 「幽霊のキャサリン」と奪われた肖像 金谷益道著. E・F・ベンスン、拡散と転覆のオブセッション 岡和田晃著. 「萎えた腕」に掴まれるとき痣は別のことを問い告げる 石井有希子著. 亡霊は二度窓を叩く 小林広直著. W・B・イェイツ『窓ガラスの言葉』に書かれた読めないメッセージ 岩田美喜著. 語り手はもう死んでいる 田多良俊樹著. ロバート・M・パーシグ『禅とオートバイ修理技術』における幽霊の隠喩と文学的想像力 深谷公宣著. アーサー王伝説における騎士と狂気 小宮真樹子著. 幾重もの語りの内側にあるもの 有元志保著. 緑深き原生林へ 桐山恵子著. 死への衝動 高橋路子著