[BookShelf Image]:644
今日はアメリカ合衆国の小説家、詩人、評論家であるエドガー・アラン・ポーの誕生日
です。ポーはマサチューセッツ州ボストンに生まれました。旅役者であった両親を早く
に失ったことから、幼少期は彼を引き取った知人と共にロンドンで過ごしました。
そして帰国後は、ヴァージニア大学に進学し、成績は極めて優秀、詩人としても認め
られてはいました。しかし賭博と大酒で悪名も馳せており、卯用曲折ののち、大学は
退学。文筆で身をたてるべく詩や短編小説を創作し始めますが、飲酒の悪癖でのトラ
ブルは絶えず、数々の出版社を渡り歩きます。
1833年に、従妹のヴァージニア・クレムと結婚しましたが、1847年に結核により彼女
を亡くし、その二年後、ポー自身も謎めいた死を遂げ、40年という短い生涯に幕を下
ろしました。
ポーはアメリカにおいて、文筆だけで身を立てようとした最初の著名な作家でした
が、文名を得てからも生活が豊かになることはなく、その生涯は波乱に満ちたもので
した。しかし彼が残した作品はその後の文芸界に大きな影響を与えています。
今日紹介する一冊は、
『モルグ街の殺人・黄金虫』(エドガー・アラン・ポー/著、巽 孝之/訳)です。
本書はポー短編集の2作目、ミステリー編です。
この本に収録されている「モルグ街の殺人」は史上初の推理小説とされており、天才
的な探偵と平凡な語り手、結末近くでの推理の披露、意外な犯人像など、以後連綿と
続く推理小説のジャンルにおける原型を作り出したと言われています。密室殺人を扱っ
た最初の推理小説とも言われています。
推理小説ファンの方だけでなく、たくさんの方々におすすめしたい一冊です。