[BookShelf Image]:1034
今日、12月21日は小説家・松本清張の誕生日です。松本清張作品は「ゼロの焦点」
「影の車」「鬼畜」「わるいやつら」「天城越え」「迷走地図」と数多く制作され
ており、日本ミステリーの第一人者として有名である。
今日の一冊は、『松本清張全集(5)砂の器』著;松本清張/出版:新潮社です。
ある早朝、国鉄の操車場で、男の遺体が発見されます。身元不明のこの男は、前日
の深夜、近くのバーで連れの男と東北の方言で話し込んでいたということが判明。
その会話のなかに何度も「カメダ」という言葉が出てきたことから、そこから手がか
りを掴もうとしますが、捜査は行き詰まってしまいます。
本作は、映画化やドラマ化されるたびに、その時代に合わせて少しずつストーリーに
変化が加えられています。陰惨な殺人事件をとおして、昭和という時代に翻弄された
登場人物たちの悲哀感や、差別や村八分など、決して過去のものとはいえない問題を、
今なお提起してくる名作ミステリー小説です。