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長岡郡吉野村(現・本山町)生まれの高知を代表する作家です。結核療養中に

短歌や小説を書き始め、以来一貫して、人が生きるとはどういうことか、時代

や社会の問題にまで迫り描写した。女性の豊かな情感と社会的視点は高く評価

され、現代の社会問題につながる作品も多いです。

ご紹介する一冊は、『婉という女』著:大原富枝 出版:講談社です。

土佐藩執政、父・野中兼山(良継)の失脚後、4歳にして一族とともに幽囚の

身となった婉(えん)。男子の係累が死に絶えた40年後、赦免が訪れ、自由

なったものの、そこで見たのは、再び政争の中で滅びてゆく愛する男の姿だ

た・・・。

歴史小説というよりは格調高い純文学であり、女性を根本に据えた目線で男を

続ける描写は時に生々しく濃密です。理想に焦がれた男の運命に翻弄された

女性たちの知性と情、それらが導いた生き方が、奥深い作品です。

 

2024年 (令和6年)
4月25日(木)
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時間:9:00~20:00
休館:火曜日(毎週)、金曜日(最終週のみ)