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今日は「絶滅危惧種の日」です。
1936年のこの日、オーストラリアのボーマリス動物園(現在のホバート動物園)で
飼育されていたフクロオオカミ、ベンジャミンが亡くなりました。
ベンジャミンの死はフクロオオカミというひとつの種が絶滅してしまったことを意
味していました。
フクロオオカミは、その名の通りオオカミのようないでたちで、姿は犬やキツネに
似ています。全長は1メートルほどで、褐色の体毛、背中には黒っぽい縞模様。
メスにはカンガルーのように子供を育てるための袋があり、有袋類に分類されるフク
ロネコ科の動物でした。かつてオーストラリア全土に生息していましたが、人間によ
る狩猟などが原因でどんどん生息数が減っていました。
ベンジャミンが亡くなったことをきっかけに、このような絶滅危惧種に対する社会
の理解を深めようと「絶滅危惧種の日」が制定されたそうです。
生物の自然淘汰は避けられない事ではあります。しかし人間社会が豊かになるにつ
れ、そのほかの生物の絶滅は加速しており、そのスピードは日に100種ともいわれる
ほど。想像を絶するピードで、あまりに不自然な勢いです。
絶滅危惧種の中にはわたしたちがよく知る動物も指定されており、ラッコやレッサー
パンダ、アフリカゾウにチンパンジーもそのひとつなんだそう。
人間の社会活動が自然環境に与える影響は、知らんぷりはできないほどに膨れ上がっ
ているようです。
さて、中国によるパンダの保護活動をはじめ、世界にはあらゆる形で絶滅危惧種を
保護しようという活動があります。そのひとつに、写真を撮影することによって生き
ものを絶滅から守ろうという新しい切り口のプロジェクトも存在しています。
そのプロジェクトの名前は「フォト・アーク」。
写真による「箱舟」を意味しています。
本日は、日経ナショナルジオグラフィック社より
『消えゆく動物』(ジョエル・サートレイ/写真・著)を紹介させていただきます。
本書は「フォト・アーク」によって撮影された400種以上の生物たちの姿が掲載され
ている写真集の第三弾。
大自然が作り出した生物たち。直接言葉を語りはせずとも、その姿は目にするだけで
胸に迫るものがあります。
是非一度、手に取っていただきたい一冊です。