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今日は、世界で初めて全身麻酔による手術を成功させた江戸時代の
外科医、華岡青洲が亡くなった日です。
現代においても、全身麻酔は未だ危険を伴うもの。それを江戸時代
に成功させているとは、驚き以外のなにものでもありません。
今日の一冊は「華岡青洲の妻」(有吉佐和子/著)
成功の裏側には彼の母と妻が。青洲の麻酔実験には二人の女性が
投与試験としてその身を呈していた。
近年「非色」が再脚光を浴びた稀代の作家、有吉佐和子が描く世界。
前述の「非色」では人種差別を「恍惚の人」では認知症が描かれて
います。どちらの作品もとても40年近く前に書かれたとは思えない
鋭い確信をついた筆致。今日ご紹介した作品は一体どんな人間の本
質が浮かび上がってくるのでしょうか。