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ササン朝ペルシャの大王であるヤズデギルド1世の治世(399年-420年)は
サーサーン朝の歴史においては再生の時代であったとみなされている。
それまで、アーリア人の間でもキリスト教が広まり、サーサーン朝にとって死活問題とみなされ
シャープール2世の時代は大規模なキリスト教徒弾圧が行われた。
東ローマ帝国に対しては一貫して平和的な政策を維持し、キリスト教寛容令を出し東方教会を公認し、キリスト教徒やユダヤ教徒と友好的な関係を築いたことで
キリスト教徒たちからは新たなキュロス大王と言われた。
しかしながら、ヤズデギルド1世の平和的な政策は国内の貴族やゾロアスター教聖職者たちからは嫌われ、
そしてこれらの勢力の影響力を抑え込もうとしたために貴族と聖職者との関係が悪化し、420年1月21日、北東部の辺境地域で貴族の手によって暗殺された。
彼の死後は再び迫害策がとられた。
今日の一冊は、
『ゾロアスター教 三五〇〇年の歴史』(メアリー・ボイス/著)
啓示による人類最古の宗教として謎に満ちたゾロアスター教を、その誕生から現代インドに残るパールシーまで包括的に論じた格好の入門書です。