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8月13日はゼンメルワイス・イグナーツの没日です。手洗いを
することで出産におけるリスクが大きく減ることに気づき、手洗
い消毒法を提唱した人物です。
現代の我々からすると、手洗いで消毒をするということはとて
も単純かつ効果的な感染症対策なのですが、ゼンメルワイスの生
きた19世紀ヨーロッパではまだ細菌の概念が存在せず、当時の医学
の理解とはかけ離れた手法だったために、ゼンメルワイスの主張
は激しい攻撃に晒されたそうです。
その結果、ゼンメルワイスは神経衰弱に陥り、精神科病棟で受け
た暴行が原因でこの世を去ってしまうことになりました。
今日紹介する一冊は『手洗いの疫学とゼンメルワイスの闘い』
(玉城英彦/著)です。
彼の直面した苦境は現在では「ゼンメルワイス反射」と名付け
られており、科学的な新発見はしばしばこのような攻撃に晒されて
しまうそうです。疫学の観点以外でも、彼の人生は学べるものが
多くあるので、是非読んでみてください。