[BookShelf Image]:383
4月13日は喫茶店の日。
1888年4月13日。日本初の喫茶店、可否茶館が上野にオープンしました。
人口1万人当たりには全国平均で6.34店の喫茶店が存在し、1番多い県はなんと高知県なのです。
高知県は17.7店で、道理で美味しいコーヒー店が多いわけですね。コーヒー好きには嬉しいです。
今日の一冊は、『コーヒー博物誌』(伊藤 博/著)
起源から品種、栽培史、喫茶店の歴史など多岐にわたり詳しい本です。
9世紀にエチオピアで山羊飼いのがカルディアが発見したと伝えられている
コーヒーが日本に伝来したのは18世紀であり、鎖国政策のため民衆には
行き渡らず、また風味が日本人の嗜好に合わなかったため、伝来から
普及までに長い時間を要した。明治初期にコーヒーを飲用して
いたのは上流階級の一部に限られ、一般にも普及したのは明治末期から大正初期に
かけての時期になってからだそうです。
可否茶館の創始者は元大蔵省官吏の鄭永慶(ていえいけい)という人物で、
大衆庶民や学生、青年のための社交サロンであり知識の共通の広場となる
新しい喫茶店を開こうと決意した。珈琲一杯の対価で学校とは違う学び舎を
作りたかったのです。本や便箋、封筒などもおいてあり、今でいう
ライブラリーカフェのような趣だったということです。当時の日本文化では受け入れられなかった
ので長くは続かなかったのですが、時代を先取りしすぎた方なのですね。
現代は、サードウェーブコーヒーも流行していますが、純喫茶も人気が高まり、
カフェ百花繚乱の時代になって本当にありがたいなあ、と思ったことでした。