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フランスの支配から独立を望むベトナムを舞台に、直接の当事者ではない共産主義国家と資本主義国家の血で血を洗う戦いが行われたベトナム戦争。
資本主義国家の代表的存在であるアメリカがこの戦争に介入するため、『北ベトナム政府に喧嘩を売られた』状況を捏造したのがトンキン湾事件でした。
1964年8月2日、ベトナムのトンキン湾にてアメリカ軍の巡視船が北ベトナム軍の魚雷艇から攻撃を受け、応戦したと報告されました。
これによりアメリカ議会では圧倒的多数でベトナム戦争への介入が事実上可決されました。
しかし4年後、アメリカ政府高官マクナマラがトンキン湾事件が捏造であったことを告白。
政府の思惑により多くの命が失われた、黒い歴史となったのでした。
今回ご紹介する本はジョン・ガルブレイス著『アメリカの資本主義』です。
著者はあくまでドライに、多くのアメリカ人の政治意識や経済思想を解き明かしながら、市場の仕組みを解説します。
戦争に頼らず、健全な社会経済を目指すヒントが多く含まれた名著です。