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若くして多くの読者を魅了し、文学の新境地を開いた神童。
華々しい生活の中でアルコールと薬物に依存し、頂点からゆっくりと没落していった59年間の人生。
今日は『ティファニーで朝食を』『冷血』などを書き上げたトルーマン・カポーティの誕生日です。
1924年アメリカはニューオリンズに生まれた彼は、19歳で早くもオー・ヘンリ賞を受賞します。
その後は『ティファニーで朝食を』が映画化され、一躍時の人となります。
そして1966年には彼の代表作とされる『冷血』を発表。
緻密な取材に基づき、実際に起こった殺人事件を題材に小説化したこの作品はノンフィクション・ノベルという新しいジャンルを切り開いただけでなく、冷徹なまでの筆致で事実を小説的な技法で表現した、全く新しい芸術作品として多くの批評家を唸らせたのでした。
絶頂期を迎え順風満帆に見えたカポーティの人生でしたが、この後は一編も長編を書き上げることはなく、1984年に心臓発作で急死するまで酒と薬とパーティーに浸って暮らしたのでした。
この機会にぜひ、『冷血』をご一読ください。