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7月17日は、日本三大祭の一つである京都の祇園祭の山鉾巡行の日です。
祇園祭りは7月1日から一か月間にわたっておこなわれる八坂神社の神事です。
八坂神社の御祭神である素戔嗚(スサノオノミコト)が南海に旅した時に一夜
の宿を求めたところ、蘇民将来が粟で作った食事で手厚くもてなしをしました。
蘇民将来の真心に喜ばれた素戔嗚は、「蘇民将来の子孫也」と書いた護符を持
つ者は疫病の災厄を免れさせると約束されました。このような故事にちなみ、
平安時代に疫病を退散するための御霊会として始まりましたが、時代の変遷と
ともに、豪華で華麗になり、真夏の熱い祭礼として、日本三大祭として有名に
なりました。山鉾が巡行する前日の宵山とクライマックスの山鉾巡行は祇園祭
最大の見どころで、全国からの観光客が通りを埋め尽くします。
今日の一冊は、『鉾立と細部意匠 祇園祭の鉾と盾(復刻版)』(近藤豊)です。
鉾や山は平安時代から鉾町の人々により、作られ、守られ、曳きまわされ、大切
に伝えられてきました。歴史の古さ、規模、文化財としても優秀で、飾りに使わ
れる織物や絨毯などもともに美術品、民俗資料としての価値が非常に高いものです。