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6月7日はイギリスの数学者、アラン・チューリングの忌日です。天才的な
数学者として活躍しただけでなく第二次世界大戦ではドイツのエニグマ暗号
機を解読する機械を開発し、連合国の勝利に貢献したのですが、その活躍は
公になることはなく、自殺を遂げてしまった人物です。
アラン・チューリングの残した数学分野の業績は偉大なもので、有名な
ものに「チューリング・マシン」と呼ばれる機械の構想があり、この考え
方が現在のコンピュータ開発に生かされているため、チューリングはコン
ピュータの父と呼ばれることもあります。
また、第二次世界大戦時には暗号解読に従事しており、解読不可能とい
われていたナチスドイツのエニグマ暗号機の解読に挑んでいました。
チューリングはこれをやり遂げ、安定して暗号を解読できる解読機を開
発しました、しかし、暗号が解読できたという情報は公にすることが出来ず、
チューリングの功績は戦後も秘匿されたままでした。
そして戦後のある日、当時のイギリスでは違法となっていた同性愛の告発
を受け、不当な扱いを受けるようになり、その後自殺をしてしまいます。
そして、現在ではこのようなチューリングの評価を改めるべきだという運
動がイギリスで起こり、政府は当時の扱いについて謝罪をし、当時の刑罰に
対する恩赦がされたほか、新50ポンド紙幣に選ばれるなど、彼の再評価の動きは
強くなっています。
今日紹介する一冊は『「人工知能」前夜』(杉本舞//著)です。チューリング
の活躍の中でも人工知能について記述された本になります。このほかにも、
本館の所蔵はありませんが、彼の伝記的映画『イミテーション・ゲーム』なども
製作されているため、興味のある方は見てみて下さい。