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今日は劇画の日です。
劇画とは、漫画のジャンルのひとつで、現実的なドラマの展開を強調した漫画
のこと。1964年のこの日、月刊劇画マンガ雑誌「ガロ」が創刊されたことから、
同日が劇画の日とされています。
それまでのマンガはシンプルな線で平面的に描かれることが多く、「こども向
け」というイメージでした。しかしそれらのイメージを覆す劇画は、映画のよう
なアングル、強弱の強い絵柄、映画や小説のように複雑な設定のストーリーを
特徴としており、劇画の生みの親である辰巳ヨシヒロ属する「劇画工房」は「劇
画と漫画の相違は技法と読者層」として、まんがとは異なる年齢層を対象にして
いることを明言していたそうです。
さて、「劇画」という言葉を生み出し、劇画の生みの親と呼ばれるのは漫画家、
辰巳ヨシヒロですが、彼は意外にもその後に巻き起こる大々的な「劇画ブーム」
で、システマティックに乱造された 「劇画」に幻滅したんだそう。
そこで本日紹介するのは
『劇画漂流』(辰巳ヨシヒロ/著)
本書は劇画の誤ったイメージを払拭したいという狙いで執筆した自伝的作品です。
劇画の生みの親は、どのような意図をもって劇画を生み出したのか、
この本を通して、その心情を覗いてみましょう。