開館5年目を迎え、はじまりました「雲の上の縁人紹介」
このコーナーでは、雲の上の図書館にご縁のある方々を紹介します。
1人目は、雲の上の図書館が建てられる前にあった『小さな図書室』
時代をご存じの方です。
梼原町在住、掛橋芳男(かけはし よしお)さん
以下、 掛=掛橋さん/雲=雲の上の図書館
雲:今日はよろしくお願いします。
掛:よろしくお願いします。
雲:掛橋さんは梼原のご出身ですか?
掛:そうです。昭和16年、太平洋戦争が始まる3ヶ月前に梼原で生まれました。
梼原高校を卒業した後自衛隊に入隊し、定年まで勤めました。
雲:勤務地はどちらでしたか?
掛:関西でした。入隊した頃は安保闘争の最中で、まだ国民の理解を得られていな
かった自衛隊はしばしば非難されたものでした。
雲:大変な時代を過ごされたのですね。奥様とはどちらで出会ったのですか?
掛:滋賀県の基地で働いていた頃、失恋しまして(笑)そのことを同じく関西に就職
していた妹に伝えたら、友人を紹介すると言ってくれました。それが同じ梼原高
校出身の妻だったんです。5歳離れているので、梼原にいた頃は知り合っていな
かったのですが、奇遇なものです。
雲:なるほど。梼原の外で同窓の奥様とご一緒になったんですね。
掛:そうです。おかげで今は二人とも郷里(編注:奥様は津野町出身)で暮らしてい
ます。私はプールで泳いだり、梼原高校野球部の応援が楽しみです。妻はフラダ
ンスや絵手紙など、サークル活動で忙しくしています。
雲:図書館を毎日ご利用いただいて、ありがとうございます。普段どのように図書館
を使っていらっしゃいますか?
掛:こちらこそ。ここは私の憩いの場所なんです(笑)カフェのコーヒーを飲みなが
ら、新聞5紙を読み比べるのが日課です。新聞社によって取り上げる事象が全く
違いますし、同じ事象でも報道の仕方によって全然違う印象を受けます。
雲:個人で5紙を取るのは大変ですものね。
掛:そうです。さらに新聞コーナーには最新の時事に合わせた本の特集コーナーがあ
るので、大変参考になります。
雲:そう言っていただけると嬉しいです。
掛:本が沢山あることはもちろん、建築も大変結構ですが、私は何より職員の皆さん
のサービスが素晴らしいと思っています。
雲:ありがとうございます。
掛:先日もウクライナ国歌の意味が知りたくて、そのような本があるかどうか問い合
わせました。あいにく本は見つからなかったのですが、職員さんが直ぐにインタ
ーネットで調べてくれて、おかげで国歌の意味だけでなく、国旗や国歌にまつわ
る色々な情報を合わせて得ることができました。
雲:所蔵資料ではカバーできない、あるいはスピードを要する調べ物にも、職員が全
力でお手伝いできるように心がけています。
~~
雲:昔から読書はお好きだったのですか?
掛:はい。子供の頃は父が本を買ってきてくれて、それを一晩で読んでしまうこと
がよくありました。
野口英世やヘレン・ケラーのような偉人の伝記。推理小説などをよく読みまし
た。
雲:雲の上の図書館ができる前は、どのように読書をしていましたか?
掛:町の図書室をよく利用していましたが、新しい本が少なかったので自分で購入
する本も多く、本代が沢山かかったものでした。この図書館ができてからは最
新の法律や冠婚葬祭に関する本が充実しているので、助かっています。
雲:雲の上の図書館にご要望はありますか?
掛:今のところありません(笑)本に関係することだけではなく、コンサートのよう
なイベントもやってくれますし、カフェもあるし、この施設を無料で使えること
を嬉しく思っています。コーヒーを飲んでいると観光の方とお話をするようなこ
ともあり、それも楽しいです。
雲:どんなお話をされるのですか?
掛:先日は町外のお客さんが、図書館から見える森の緑が綺麗ですね、と言っていま
した。
梼原にいると当たり前になっているそんなことに気づかされて、ハッとしたもの
でした。
雲:今日はお時間をいただき、ありがとうございました。
掛:ありがとうございました。
最後に、現在オススメの本を3冊教えてもらいました。