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十一月三日は漫画家さいとう・たかをさんの誕生日です。すい臓がんに
より今年九月に亡くなるまでの間『ゴルゴ13』をはじめとする長期連載
作を描き続けていました。
同氏の代表作『ゴルゴ13』は現在二〇二巻を刊行する超長期連載作であり、
今年七月にはギネス記録に認定されるほどでした。八十四歳で没したさいとう氏
がここまでの長期間連載を続けられたのは、自身の設立した漫画制作プロダクション、
さいとう・プロダクションがあったからでもあります。
さいとう・プロダクションでは漫画の制作に分業体制を導入しており、集団で
制作にあたることから個人の負担を減らすことができたため、さいとう氏の怪我
や病気が作品作りに大きな影響を及ぼさないメリットがあったようです。
かつてプロダクションの形態に理解がなかった時代には「ゴルゴの目だけ描いている」
とまでいわれ、揶揄されていた分業体制ですが、さいとう氏が自身の死後も
『ゴルゴ13』が続くことを希望し、プロダクションにありとあらゆる作業を
振り分けたことにより、『ゴルゴ13』は現在でも連載が続けられています。
今日紹介する一冊は『ゴルゴ13 ビッグ・セイフ作戦』です。
二〇二巻あるゴルゴシリーズですが、ほぼ全巻が一巻で完結するストーリーで構成
されていることからどの巻数から読めることも魅力の一つでもあります。
今回は代表する一冊ということで、ゴルゴシリーズの第一作をおすすめさせていただきました。