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7月25日は上野動物園でクロヒョウ脱走事件が起きた日だそうです。1936年に
起きた脱走事件で、被害はなかったそうですが住民に与えた衝撃は大きかった
ようです。
クロヒョウは鉄の檻を破って逃げたわけではなく、天井にある隙間を通って逃げた
ことが後の調査で分かったそうですが、逃げた当初はそのことがわからず、鉄檻を破って
逃げるほどの獰猛なクロヒョウが逃げたと思われていたようで、周辺の民家では雨戸を
締めて外出を控えるなど、かなりの警戒態勢が敷かれました。
このクロヒョウ脱走事件は当時の人の印象に深く残ったようで、十二時間の逃走劇
だったものが当時の人たちには一週間は雨戸を閉めて生活をしていたと思わせるほどの
ものだったらしく、同じ年に起きた阿部定事件と二・二六事件と合わせて「昭和11年
の三大事件」と呼ばれているそうです。
今日紹介する一冊は『かわいそうなぞう』(つちや ゆきお/文、たけべもといちろう/絵)
です。
このクロヒョウ脱走という前例があったことからか、第二次世界大戦時には戦時猛獣
処分がなされたそうです。かわいそうなぞうは上野動物園で行われた処分がモデルと
なっています。