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今日は小説家、清水義範さんのお誕生日です。
1981年に『昭和御前試合』でデビュー後、1988年に吉川英治文学新人賞、
2009年に中日文化賞を受賞し、
『心を操る文章術』『老老戦記』『日本の異界 名古屋』『バールのようなもの』
『騙し絵日本国憲法』『永遠のジャックアンドベティ』
など興味深い多数の著作をうみだしています。
清水義範さんはパスティーシュ作家として知られています。
パスティーシュとは文体模倣のこと(類似語:パロディ)。
清水義範作品はこのパスティーシュ技法がとても秀逸で、
これにより幅広い題材を読みやすく楽しく小説に落とし込んでいます。
難しかったりとっつきにくかったりする題材でも、
彼のパスティーシュにかかればすんなり入ってくるから不思議です。
また、普通なら見落としそうなちょっとした話題もコメディに変わっていきます。
つい声を出して笑ってしまうような清水さんの作品は、
普段あまり読書になじみがない方にもおすすめです。
本日は当館に蔵書のある清水さんの作品の中から、
『偽史日本伝』(清水義範/著)
集英社文庫
をご紹介します。
本書はタイトルから分かる通り、『魏志倭人伝』のパロディ。
本短編集に収められているのは数々の時代小説です。
日本史がとっつきにくいなと感じている人でも、歴史に興味が沸く良いきっかけ
になりそうな楽しい話が沢山つまっています。