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12月7日は日本最大級の贋札使用事件であるチ-37事件が起きた日になります。
多くの警察官が県をまたいで捜査を続けていましたが、1973年に時効を迎えた
未解決事件になります。この事件がきっかけで、紙幣の肖像を聖徳太子から伊藤
博文に変更することにもなったそうです。
チは贋札関係の事件があった際に警察内で使われる千円札のコードで、37は
そのコードで何番目に起きた事件かを表す通し番号です。なので、千円札と
しては37番目の事件という事になります。それまでに出てきた贋札とは比べ物に
ならないほどに精巧な贋札だったそうで、大規模な捜査が行われました。
贋札を届け出た人には3000円の謝礼が払われるということもあり、「300円の
買い物で1000円を出したらお釣りが2700円だった、なぜか」という風刺のなぞなぞ
が出るほどに注目を集め、最終的に300枚以上の贋札が見つかったのですが、事件
発生からおよそ二年後に贋札が出回らなくなり、そのまま犯人も見つからずに時効
を迎えました。
今日紹介する一冊は『贋札の世界史』(植村峻//著)です。
贋札が作られてきた歴史と偽造防止のために改良を加えていった歴史がわかる一冊
です。個人で使って利益を得ているだけではない贋札の様々な面がわかるので是非
読んでみてください。