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1月11日は『海がきこえる』の原作者、氷室冴子の誕生日。
氷室さんは北海道生まれの小説家です。『なんて素敵にジャパネスク』シリーズで一躍集英社コバルト文庫の看板作家としての地位を確立し、少女小説ブームの立役者として活躍されました。彼女の作風は多くの作家の作品にも影響を与えたようです。2008年6月6日に肺がんでこの世を去りましたが、今もなお幅広い年代の方に愛されています。
そこで今日は、高知を舞台にした青春ストーリー『海がきこえる』をご紹介します。
高知の進学校から東京の大学に進学した杜崎拓は、吉祥寺駅のホームで武藤里伽子に似た女性を見かけます。こんなところにいるはずもないのに…と思いながら拓は自然と里伽子との思い出を振り返っていくのです。東京から転校して来た里伽子との出会い、ハワイへの修学旅行、里伽子と2人だけの東京旅行、親友と喧嘩別れした文化祭。ほろ苦い高校時代の記憶をたどりながら…。
この物語は”誰もが経験したことがある、こんな感情を知っているという既視感とともに、懐かしさに包まれて読むような物語”というイメージのもと制作にあたられたそうです。そして舞台は、作者が当時旅行で訪れた高知の街並みと空が、どこか懐かしさを感じさせたことから高知に決めたのだとか。
スタジオジブリでアニメ化された作品でもあるので、映像としても楽しめます。”懐かしさに包まれる”という体験もいいものですね。