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今日はジョン万次郎(本名、中浜万次郎)生誕の日。万次郎14歳のとき漁で遭難し、アメリカ船に助けられ、太平洋中を旅して日本に戻り、その後通訳として活躍したという内容はご存知の方も多いでしょう。
1843年に万次郎はアメリカはマサチューセッツ州に上陸します。漂流した万次郎を助けたホイットフィールド船長は彼を養子として迎えました。学校では英語に数学、航海術などを学び、首席になるほど熱心に勉学に励んだそうです。
1849年大航海を終えた万次郎、次なるは帰国資金調達のためゴールドラッシュのカリフォルニアへ。4ヶ月ほど働き、資金調達後帰国に向けハワイへ。そして1851年に沖縄へ上陸。さまざまな取り調べを受けその2年後ついに土佐に帰還できたのです。
その後万次郎は、日米修好通商条約の批准書交換のために海外使節団が乗船した「ポーハタン号」の随行艦「咸臨丸」に通訳、技術指導員として乗り込りこみます。この艦には、艦長である勝海舟をはじめ、福沢諭吉といった人物の姿もあったのだそう。1870年には普仏戦争視察団としてヨーロッパへ派遣されます。万次郎の「海の男」としての顔、そして「英語使い」という二つの顔が認められてのことでしょう。
今日はジョン万次郎の誕生日ということで「英語と万次郎」に焦点を当てた『ジョン万次郎の英会話』(乾 隆∥著)を紹介します。
1859年に日本で最初の本格的な英語教本『英米対話捷径』が生まれました。作成した人物はそう、ジョン万次郎です。全213の日常フレーズが対訳で収録されており、英語の発音方法も独特な日本語の響きとともに紹介していました。
この本『ジョン万次郎の英会話』は、彼の『英米対話捷径』を現代に復活させ、英語習得に役立てる実用書として、そして古文書のおもしろさを味わえる歴史書として、幅広い工夫が施された一冊です。
日米友好の原点ともいえる、万次郎と船長との出会い、そして幕末から明治初頭にかけて日本の歴史に少なからず影響を与えた万次郎。彼の作った英語教本は現在の英語教育の礎になったと言っても過言ではないと思います。今日は高知の偉人であるジョン万次郎が生まれた日ということで『ジョン万次郎の英会話』を紹介しました。