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1月8日は天文学の父、ガリレオ・ガリレイの没日になります。天動説が
支配的だった時代に地動説を唱えていたことが有名で、政治的陰謀やガリ
レイ個人の人間関係などが災いした結果宗教裁判で異端扱いを受け、自宅
の別荘で軟禁されたまま生涯を終えました。
ガリレイは地動説を始めとした自身の学説を証明する際に、現代では
当然のように行われる再現性のある実験や観察を元にして証明を行った
最初期の人物と言われています。
ちなみに、有名な逸話であるピサの斜塔から重さの違うボールを落として
落下する速度が同じであると聴衆に向けて証明したという話は、ガリレイが
落下の法則を唱えたことはあっているのですが、実験のためにピサの斜塔から
ボールを落としたというのは弟子による創作という事が分かっているそうです。
この他にも地動説に対する異端審問も後世の創作が多く存在しており、信仰
の問題でガリレイが処罰されたというわけではなく、当時の教会の政治的な事情
が密接に関わった結果の異端審問だったということが明らかになっています。
地動説がカトリックの信仰にそぐわないという理由ではなかったものの、ガリ
レイが異端であるという処罰は長年覆ることはなく、ローマ教皇からの正式な
謝罪が出たのはガリレオの死後350年後のことでした。
今日紹介する一冊は『ガリレオ はじめて「宇宙」を見た男』
(ジャン=ピエール・モーリ/著、田中一郎/監修、遠藤ゆかり/訳)です。
ガリレイの功績を多くの図版付きで解説している一冊で、分かりやすい一冊に
なっています。