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今日は、上巳(じょうし、じょうみ)の節句です。
三月の初めの巳の日という意味ですが、のち三日に定まり、また、ちょうど
旧暦では桃の花が咲く季節から、今では桃の節句という名で親しまれています。
古来中国では、上巳の日に川で身を清め不浄を祓う習慣がありました。これが
平安時代に日本に取り入れられ、後に、紙で小さな人の形(形代)を作り、それ
にけがれを移し、川や海に流して不浄を祓うようになったそうです。この風習
は、現在でも各地でみられる「流し雛」として残っています。
今日の一冊は「桃:ものと人間の文化史157 」(有岡 利幸/著)です。
桃は古来中国より伝来したもの。中国由来の風習では邪悪なものを避けること
ができるとするものもあり、日本の「古事記」や「日本書紀」にもその様な役
割として登場します。
そんな”桃”にまつわる伝説や雛祭りの地域独自のあり方や移り変わりをたどり
ながら、”桃”と日本人の様々なかかわり方がまとめられた1冊です。