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今日5月1日は「水俣病啓発の日」です。2006年に制定されました。1956年
の今日、熊本県水俣市の保健所へ市内のチッソ付属病院から「原因不明の
奇病」の報告がありました。これが水俣病が広く知られるきっかけとなった
との事です。
水俣病は、化学工場から海や河川に排出されたメチル水銀化合物を、魚、エ
ビ、カニ、貝などの魚介類がエラや消化管から吸収して、あるいは食物連鎖
を通じて体内に高濃度に蓄積し、これを日常的にたくさん食べた住民の間に
発生した中毒性の神経疾患です。
今日の1冊は『みな また、よみがえる』(尾﨑たまき/写真・文)です。
「公害の原点」とも言われる水俣病。その水俣湾に浮かぶ無人島の恋路島が
語り手となって、伝える写真絵本です。大人も子供も読むと、水俣病の事が
よく分かります。そして命をめぐる海のたくましさや、海の再生に励まされ
る水俣の人たちが頭に浮かびます。著者の文と、実際に潜って撮った写真に
とても感動する1冊です。後書きの解説も、ぜひ読んでいただきたいです。