今日は「苗字の日」です。
1870年(明治3年)のこの日、当時は貴族と武士しか名乗ることが認められていな
かった苗字を、平民でも名乗ることができる「平民苗字許可令」が明治政府によって
出されました。
しかし、それまで名前しかないのが普通だった平民にとって、急に「苗字を名乗って
もいいよ」と言われてもあまりピンとこなかったようです。
そのうえ、当時の日本では明治新政府はまだあまり信用されておらず、苗字を
名乗ることで、なにかあらたな税金が取られるのではないかと多くの人が警戒してい
ました。
そのため、この太政官布告※では、平民に苗字を浸透させることはできませんでし
た。戸籍整理を行いたいのに、ちっとも進まず、しびれを切らした日本政府は、5年
後(1875年)の2月13日、「平民苗字必称令」を出し、苗字の義務化を断行します。
これによりようやく、国民全員が苗字を持つようになりました。
因みに、2月13日は「苗字制定記念日」と呼ばれています。
みなさんはどうでしょうか?例えば、政府から急に「明日からミドルネームを名乗っ
てもいいよ」と言われて、名乗りますか?
なかなか苗字を名乗ろうとしなかった当時の平民の気持ちが、なんとなくわかるよ
うな気がしますね。
今日紹介する一冊は
『新説日本人の苗字とその起源』(茂木 和平/監修 宮内 則雄/著)です。
今でこそ、当然のように私たち日本人が名乗っている苗字。その由来にどんなもの
があるか知っていますか?当たり前にあるからこそ、自分の苗字や友達の苗字、その
由来や背景を知る機会は少ないのではないのでしょうか。
この本を読めば、自分の苗字の由来を知る事ができます。
この本を読んで、自分の苗字のルーツを探ってみるのも面白いかもしれません。
※太政官布告(だじょうかんふこく)太政官によって交付された明治時代初期の法令
の形式。