今から124年前の1896年(明治29年)11月25日から29日、日本で初めて「映画」が
一般公開されました。そのことを記念して日本映画連合会(現・日本映画製作者連
盟)が「映画の日」と定めました。 日付はキリがよい12月1日とされたそうです。
日本で初めて映画を上映したのは、神戸市にある「神戸倶楽部」という会員制の
社交クラブ。この時公開された映画は、今日のように大きなスクリーンに映写され
るタイプではなく、一人ずつのぞきこんで見るタイプ(キネトスコープ)でした。
これは、この時から3年前の1893年にトーマス・エジソンが発明したものです。
実はこの時すでに、フランスのリュミエール兄弟がスクリーンに動く写真を投影し
て公開し、世界中で大反響を呼んでいたのですが、日本で公開されたのはまだキネ
トスコープ。この時の日本の映画文化は、世界からすこし遅れをとっていたようです。
開発されたばかりの頃の映画は、単に事実の記録映像だけだったそうで、
現代のようにストーリーを持つ映画が作られるようになったのは、20世紀に入った
ころから。
20世紀後半に入ると、映画技術は爆発的に発展し、映画表現は多様性を増しました。
戦後、普及した映画の撮影技法には、例えば「特撮」「アニメーション」「CG」な
どがあります。
本日紹介する本は、『SF映画のタイポグラフィとデザイン』(デイヴ・アディ/著)
です。さまざまなジャンルがある映画ですが、その中でもSF映画はコンピュータの
進化もあいまり、目まぐるしい変革を楽しめるジャンルなのではないでしょうか。
「映画」が開発され、世界に普及してから120年以上。
SF映画において、タイポグラフィとデザインはどのように「未来」を視覚化してき
たのでしょう。
本書は、「2001年宇宙の旅」以降のSF映画作品を題材に、SF映画のストーリー
テリングとデザインの関係を探ります。
「スタートレック」や「トータルリコール」などのSF映画を製作したクリエイターたち
へのインタビューも収録された、SF映画好きにはたまらない一冊です。