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今日は、節季の一つ令和三年の「処夏」です。
暑さが少しずつやわらいでくる時期でもあり、作物の収穫も盛んになって
きます。
そして、この時期に避けて通れない日本列島、台風シーズンの始まりでも
あります。全国各地で多くの自然災害が起こっている近年ですが、自然と
人間の関係はいつの時代も変わりなく人間にとって恵みと災いが表裏一体
となって起こる様に思います。
今日の一冊は「寺田寅彦:科学者とあたま:STANDARD BOOKS」
(寺田寅彦/著)
明治時代に高知に育った科学者寺田寅彦の言葉に「天災は忘れた頃にやって
くる」というものがあります。
そんな寅彦は、科学者であり芸術への造詣も深い研究者でした。そんな自然
科学に人文学にと幅広い視野をもった寅彦の考えがギュッと詰まったのがこ
の本。これを読むと、寅彦の自然や未知のものへの謙虚さがうかがえました。
私たちと寅彦は生まれ育った時代背景や持っているものは違いますが、今の
生活に通じるものやふと考えるものがあちこちに見られ、読む人によって感
じる部分がそれぞれあると思います。
手のひらサイズで装丁も素敵。パラっとめくって好きなところから読むも良
し。そして寅彦のことをもっと知りたくなったら巻末にはおススメの本も紹
介されている、至れり尽くせりな暑さ和らぐ季節におすすめの1冊です。