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旧暦8月26日は日本の75代天皇、崇徳上皇が崩御された日です。後白河
天皇との抗争の後に島流しにあったことで、怨霊として都に災害をもた
らしたとされ、平将門、菅原道真とともに日本三大怨霊と呼ばれています。
崇徳天皇は上皇となった後に後白河天皇との権力争いである、保元の乱を
起こし、後白河天皇側に負けてしまいます。
過去に同じような挙兵に失敗した天皇はいたのですが、出家をすることで
実権を失う代わりに京都の都での生活が保障されていたのに対し、崇徳上皇
の時代では出家後も政治に関わる院政というシステムが存在していたために、
崇徳上皇は京都での出家も許されず、現在の香川県にあたる讃岐へ島流しに
されてしまいます。
讃岐へ配流された崇徳上皇はその後の生涯で一度も京へ戻ることを許され
なかったほか、崩御した後も後白河天皇は無視を続けるなど、かなり劣悪な
扱いを受けました。
そうした扱いの中、崇徳上皇の死後の安元三年には、安元の大火を初めと
する動乱が起き、貴族の中で崇徳院の怨霊が出たのではないかという認識が
広がり、後白河天皇も崇徳院の怨霊を認め、霊廟を作り奉られるようになり
ました。
この怨霊伝説にちなみ、今日紹介する一冊は『雨月物語』(上田秋成/著)です。
江戸時代を代表する文学である本作ですが、この頃からすでに崇徳院の怨
霊伝説は怪談話のモチーフとして扱われるようになっており、本作の中にも
崇徳院の怨霊が登場する話があります。是非お手に取って内容を確かめてください。