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今日はクリスマスイブですね。実は、クリスマスイブはキリスト教において「クリスマス当日の夜」つまり24日の日没から25日の日没までを「イブevening(夕方を意味する)の省略」と呼ぶそうです。日本ではクリスマス前夜という意味合いで浸透していますね。

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ヨーロッパの多く地域では、クリスマスの期間はお店が休業となり、家族と過ごす場合が多いようです。それに対して日本のクリスマスの過ごし方は、クリスマス商戦とも言われるほど24・25日はテーマパーク、宿泊施設、飲食店など、あらゆる商業施設が盛り上がりを見せますね。

  

クリスマス・イブの今日ご紹介するのは『サンタのおばさん』(東野圭吾//作・杉田比呂美//画)です。

 

サンタ会議のために、フィンランドの小さな村に世界各地から集まった12人のサンタたち。議題は引退するアメリカサンタの時期候補者の選出です。アメリカサンタが、次のアメリカサンタの代表として連れてたのはジェシカという女性でした。

女性がサンタに?

今まで前例がないことから、「聖ニコラウスがモデルだからサンタは男でないと!」「父性の象徴だからサンタは男であるべきだ!」「白いひげがないとサンタではない!」などそれぞれに意見を述べ議論します。代表サンタ全員の賛成を得ることが条件なのですが…。果たしてジェシカはサンタになれるのでしょうか。

 

この物語のおもしろさは、「サンタクロース」をテーマにしながら、異なる価値感や多様性を互いに受け入れながらいかに他者と生きていくか、という現代の問題を、柔らかくでも丁寧に伝えているところだと思います。

小学校の道徳の題材になったりもするこの物語。現代社会の「多様性」を色濃く反映した一冊です。読み進めていくうちに、「たしかに、なぜサンタは男性でないといけないのだろう」という疑問が読み手の中にも湧いてくるのではないでしょうか。

ジェンダー、国籍、肌の色、自分とは異なる他者とどうかかわっていくか、その方法の一歩目は「当たり前を疑う」ことかもしれません。「こうあるべきだ」ではなく「他もありうる」という視点の存在をこの物語は教えてくれるかもしれません。 それと同時に「大切したいものは何なのか」を改めて考えさせてくれる、そんな物語だとも思います。

 

ステキなクリスマスをお過ごしください。

 

 

 

 

2024年 (令和6年)
11月28日(木)
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