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1977年の9月5日、初めて国民栄誉賞の授与式が行われました。
日本初の出来事ということで、今日は記念日に制定されています。
受賞者の第一号となったのは、当時37歳だったプロ野球選手、王貞治さん。
王さんは授与の二日前、後楽園球場での対ヤクルト戦で、通算756号となるホームラン
を打ち、米メジャーリーグのハンク・アーロンの記録を塗り替え、「本塁打世界記録」
を達成していました。
当時の福田内閣はこれに先立ち、8月30日に国民栄誉賞を創立し、王さんが
受賞第一号に輝いたのです。
今日の一冊は、そんな国民栄誉賞第一号の王貞治さんにフォーカスし、
『チャレンジが道をひらく』(王貞治/著)を紹介します。
国民栄誉賞を受賞する前年から、王さんは次々とホームラン記録を塗り替えており、
テレビで巨人戦が放送されると、その視聴率は40%にまで達したと言います。当時の
国民にとって、王さんが「いつ世界記録を達成するか」ということは、大きな関心事
だったのです。
そして翌年の華々しい記録更新、日本初の国民栄誉賞。
しかし、記録達成からわずか三年後、王さんは現役を引退してしまいます。
栄光のすべてをつかんだかのように見える王さんの野球人生は、いったいどのような
ものだったのでしょう。
本書は、王さんの現役引退後の監督も含めた野球50年人生を、インタビュー形式で
綴った本です。王さんの深い野球愛がぎっしり詰まっており、読み進めると胸に熱い
ものがこみ上げてきます。これほどまでに一つのものに打ち込み、それを愛する人の
姿は、そこにあるだけで見るものに勇気を与えてくれます。
インタビュー形式で、あっという間に読んでしまえるとても読みやすいおススメの本
です。