[BookShelf Image]:541
今日はジョルジュ・バタイユの生誕日です。
フランスの作家にして思想家、哲学者でもあり幅広い分野で執筆活動を
行った知識人の一人でした。
後世に彼の影響を受けた知識人や哲学者は数知れず、日本では生田耕作や澁澤
龍彦が訳を行い紹介されたこともあり、主にアンチモラルな作家として名が知ら
れています。
今日の1冊は「眼球譚<初稿>」(オーシュ卿/著、生田耕作/訳)
あれ?書いてる人がオーシュ卿?となる方もいらっしゃるかもしれませんが、
この「眼球譚」最初は偽名で出版されました。後にジョルジュ・バタイユとして
あらすじはそのままに改めて出版されたのですが、文章はずいぶんと異なってい
るそうです。
この作品は、一見、何が何だか不可思議な内容なのですが、ここかしこに記号
として読み取れる「目」「卵」などがあり、人間心理や哲学的な読み取りができ
る作品と言われています。
小説には一読して楽しく読める作品もあれば、意味不明で暴力的なアンチモラ
ルの中に深い真理が隠されている作品もあり、奥深さを感じます。