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7月1日は鎌倉時代の日本に対して侵略戦争をしかけてきたモンゴル帝国
との2回目の戦争である弘安の役が終結した日です。「元寇」と呼ばれる
この戦争は第一回の「文永の役」と第二回の「弘安の役」に大きく分けられ、
当時史上最大の領地を持つ帝国の侵攻を防ぎきった戦争として知られています。
文永の役はモンゴル帝国が日本の服属を求めた事に対し、当時の鎌倉幕府が
これを拒否したことで侵攻が始まりました。国際戦争の経験の少ない日本の武士
たちはモンゴル側の戦術に翻弄されますが辛くもこれを退けることに成功します。
その後の弘安の役では文永の役を上回る軍勢での侵攻を行いましたが、文永の役
での経験を元に防備を固めたこともあり、3か月近い攻防の末にこれもモンゴル帝国
側を撤退させることに成功しました。これ以降は、フビライの死去によるモンゴル帝国
の分裂と内紛が起きた事で日本侵攻計画は実行されず、日本は独立を保ちました。
元寇は小学校の歴史などでも取り上げられることの多い戦争ですが、現在の
研究により従来とは異なる事実や、実態の不確かな出来事が多いことでも有名です。
最も有名な逸話として、文永の役と弘安の役において、日本側の勝因は「神風」と
呼ばれる突風が吹いたことでモンゴル帝国の船が多数沈み、撤退せざるを得なくなった
というものです。この「神風」により劣勢を覆したという記述は様々な観点から考察が
行われており、その正体について研究が進んでいます。
今日紹介する一冊は『モンゴル襲来と国土防衛戦』(北岡正敏//著)です。
「神風」の考察や当時の鎌倉武士の戦い方について、考察によって様々な違いが
見つけられているため、気になる方はぜひ読んでみてください。